2024年、イギリスでのワーキングホリデー(通称ワーホリ)がさらに魅力的に!これまで1500人限定だった日本人向けの枠が6000人へ大幅に拡大され、これまで以上に多くの若者がイギリスでの生活を経験するワーホリ(YMS)ビザ獲得のチャンスを得られるようになったんです。
イギリスは移民に大して慎重な姿勢をとっている中、日本や韓国、ニュージーランドなど、一部の国に特別に設けられたこの枠は貴重です。歴史的な円安が続く中、世界情勢の中でも比較的安定したポンドで稼ぐことができる出稼ぎワーホリとしても、気軽に応募できるようになりました。
歴史と伝統が息づくイギリスで働きながら生活することは、異文化を深く理解し、英語力を飛躍的に向上させる絶好の機会ではないでしょうか?本記事では、そんなイギリスでのワーホリについて、ビザ申請から現地での生活、さらには帰国後のキャリアまで、詳しくご紹介します。
イギリスのワーホリ制度とは
ワーキングホリデー制度、略してワーホリは、18歳から30歳までの若者が特定の国に一定期間滞在し、働きながらその国の文化を体験するための制度です。この制度は、異なる文化や生活を直接体験しながら働くことで、語学力や異文化理解、さらには自己成長を促す貴重な機会を提供してくれます。
世界中にはさまざまなワーキングホリデー協定国があります。日本からの申請者が利用できる国は、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ドイツ、フランス、韓国など、多岐にわたります。各国で制度の詳細や滞在可能な期間は異なりますが、基本的には1年間またはそれ以上の滞在が許可され、特定の条件を満たすことで延長が可能な場合もあります。
さて、そんな数あるワーキングホリデーの中でも、特に人気が高いのがイギリスのワーホリです。イギリスは、その歴史的背景や文化的魅力、さらに世界中から集まる人々との交流を通じて、他では味わえない貴重な体験ができます。また、ヨーロッパ各地へのアクセスが非常に良く、休日には気軽に他国を旅行することも可能です。イギリスのワーホリビザは比較的取得が難しいと言われていますが、その分、得られる経験やスキルは非常に価値のあるものです。
イギリスのワーホリビザの申請手順
イギリスのワーホリビザは、正式には「Youth Mobility Scheme Visa」と呼ばれます。
2023年までは抽選方式でしたが、2024年以降は定員制を取るようになりました。定員枠6000名が終了すると、自動的に受付停止となります。イギリスのワーホリビザに興味のある方は、なるべく早く申請しましょう。
ビザ申請条件
イギリスのワーホリビザを申請するには、以下の条件を満たす必要があります。
手順
イギリスのワーホリビザの申請はオンラインで行います。以下は基本的な手順です。
- 1オンライン申請フォームの提出
イギリス政府の公式ウェブサイトから申請フォームにアクセスし、必要事項を入力します。
- 2申請料の支払い
申請には申請料がかかり、2024年現在で259ポンドです。また、イギリス滞在中の医療費をカバーするためのIHS(Immigration Health Surcharge)も支払う必要があり、これが年間624ポンド程度かかります。
- 3生体認証の提出
指紋や顔写真の提供が求められます。日本国内ではビザ申請センターに予約を取って、指紋と写真を登録します。
- 4資金証明の提出
銀行の残高証明書を提出します。口座の残高は2530ポンド(50万円弱)以上である必要があります。申請日から1か月以内に取得した明細書(英文記載)を取得しましょう。
- 5ビザ審査
申請後、通常3週間ほどでビザの結果が通知されます。
コスト
イギリスのワーホリビザの申請時には、以下のコストが発生します。
ビザ申請料 | 259ポンド(約45,000円) |
IHS(移民医療サーチャージ) | 年間624ポンド(約110,000円) |
指紋・顔写真登録費用 | 16ポンド(約2,800円) |
合計すると、トータルの申請コストは700ポンド以下+50万円以上の貯金残高となります。為替によってかかる日本円金額は大きく変わるので、注意しておきたい点です。
提出する銀行の資金証明書など各種提出書類には、28日間ルールが適用されます!
イギリスでのワーホリ生活の基盤:家と仕事探し
イギリスでのワーホリ生活は、刺激的で多くの挑戦に満ちています。到着してからの最初のステップは、住居探しと仕事探しです。
住居の探し方
イギリスでの住居探しは、滞在する都市や予算によって異なります。ロンドンは世界でも物価が高い都市として知られていますが、その分選択肢も豊富です。家賃は、都市部ではシェアハウスで月々700ポンドから1,000ポンド程度が相場ですが、中心地に電車で1時間以上かかるような郊外に行くと少し安くなるでしょう。住居探しの方法としては、以下のような手段があります。すべて登録無料です!
各サイト、お気に入りの検索フィルターの保存が出来ます。毎日新着の物件情報を欠かさずチェックし、気になったらすぐに問い合わせましょう。
サイト名 | サイトタイプ | 説明 | リンク |
---|---|---|---|
Rightmove | 住宅情報サイト | アプリあり。ローカル業者に加え、大手デベロッパーも多い。 | |
Zoopla | 住宅情報サイト | アプリあり。 | |
Openrent | 住宅情報サイト | 個人で広告掲出している大家も多い。 | |
Spareroom | シェアハウス掲示板 | 一部スタジオの掲載もあり。競争率高い物件も多い。 | |
Foxtons | 仲介業者 | どの担当者さんも物腰柔らかくたくさんの情報を教えてくれる優しい方が多い印象。 | |
Savills | 仲介業者 | 高級物件の掲載も多く、クオリティは間違いない。 | |
Life residential | 仲介業者 | バンカー御用達。アジア人が好きなモダンなフラットを多く抱えている。 |
ロンドンのZone3位内でワンルーム(Studio)の家を探すと、予算は最低1200ポンド以上になります。それ以下の家賃のワンルームには、家の保存状態や狭さなど、何かしらの「理由」を抱えていると思った方がいいでしょう。そういった不利な要素を見逃せる良い条件があれば、お得な物件になります。ロンドンは常に住宅不足なので、大家に有利な賃貸市場が展開されています。
仕事の見つけ方
イギリスでの仕事探しは、日本と同様に求人サイトやエージェントを活用するのが一般的です。特に、ワーホリで人気のある仕事としては、カフェやレストランのスタッフ、ベビーシッター、販売スタッフなどがあります。以下は、仕事探しに役立つサイトと方法です。
求人サイトの利用 | Linkedin、Indeedでは、多くの求人情報が掲載されています。検索フィルター保存&新規案件順に並べて、毎日応募しましょう。 |
エージェントの利用 | 日本人向けの人材紹介会社もあり、日本語でサポートしてくれるのでおすすめです。日本人専用の求人案件の場合、応募者の足元を見るかのように給与がとても低く設定されていることがあります。経験として割り切るのもありです。他の移民と競合したうえで順当な評価を受けられる仕事を選ぶ選択肢もあります。 |
ローカルな掲示板 | Gumtreeなどの掲示板では、短期の仕事やローカルな求人を見つけられます。労働搾取されないように、交渉はしっかりと行いましょう。 |
イギリスでの労働条件は、最低賃金がしっかりと法的に定められており、2024年時点では23歳以上の労働者に対して時給10.42ポンド(約2000円弱)が最低賃金として設定されています。また、週に20時間以上の労働をすると、税金がかかる場合がありますので、その点も注意が必要です。
生活費の管理
イギリスでの生活費は、住む都市によって大きく変わります。主に、ロンドンか、それ以外か、です。ロンドンでの生活は特に高額ですが、その分仕事の機会もエンターテイメントも豊富で、国際性が豊かです。ロンドンでZone3−4に何不自由なく住んだ場合の生活費の実感は、以下の通りです。
家賃 | 800〜1,000ポンド(シェアハウス) |
食費 | 200ポンド |
交通費 | 150ポンド(地下鉄やバス) |
交際費 | 200〜500ポンド(出掛ける回数や場所などにで大きく可変) |
雑費 | 200〜500ポンド(ショッピング等) |
総じて、月々の生活費は最低でも1,500ポンド程度を見積もりたいところです。節約のポイントとしては、スーパーでの買い物はリーズナブルなチェーン(Asda、Aldi、Lidlなど)がおすすめ。交通費は近いゾーン内での移動、できれば自転車やキックボードを使うと大変安上がりになります。ロンドンでさえも、街自体がそこまで大きいサイズではないので、意外と歩いていろんなところにも行けますよ。
イギリスのワーホリならではの得られる経験とスキル
イギリスでのワーキングホリデーは、ただ働いてお金を稼ぐだけでなく、さまざまな経験やスキルを得られる貴重な機会です。
異文化交流とコミュニケーション能力の向上
イギリスは多国籍な国であり、ロンドンをはじめとする大都市では、世界中からさまざまな文化背景を持つ人々が集まっています。地下鉄に乗っていると、英語以外の言語が聞こえない日はないです。ワーホリ生活を通じて異なる国の人々と交流することで、文化や価値観の違いを理解し、柔軟に対応する力が身につきます。日本の文化の良さにも気づくでしょう。異なる職場環境を通じて、同僚や上司、さらにはお客様との日々のやり取りでは、日本とは異なるコミュニケーション能力が自然と磨かれていくことと思います。
これは職種にもよりますが、英語力も必然的に向上します。特に、オフィス仕事の現場では日常会話以上のビジネス英語が求められることも多く、より広い語彙や異なるシチュエーションに対応できるようになることで、帰国後のキャリアにも大きくプラスになりえます。
たくさんの人といろいろな言語でコミュニケーションを取れる絶好の機会ですね!
自立心と問題解決能力
ワーホリ中は、日本とは異なる常識や日常生活の中で、数々の問題や挑戦に直面することがあります。日本には、丁寧できめ細やかでクオリティ高いホスピタリティやサービスがあります。これらは9割型の日本在住の人々は日本人で日本語を話すというモノカルチャーに由来しています。
一方で、イギリスはカオスです。移民の方が多い都市部においては、日本では起こり得ない数々の修羅場が自然と訪れます。おカネを払ったサービスでさえ信じられないクオリティで戻ってくるので、がっかりすることも多いでしょう。これらを自分自身で解決する過程で、自立心や問題解決能力、予測不可能な事態を楽しむ力が培われます。
ピンチの状況を楽しめる、強いメンタルが身につくと思います!(経験談)
国際的なネットワークの構築
ワーホリ中に出会った人々とのネットワークは、今後の人生において非常に貴重な財産となります。イギリスで築いた人脈は、今後のキャリアやプライベートでも役立つことが多いです。
例えば、同じワーホリで来ている他国の若者との交流を通じて、国際的な視野を広げることができます。SNSアカウントで気軽に繋がれる昨今、帰国後も友人たちの母国に遊びに行ったり、日本に招いたりなど、国際交流を続けていくことも可能です。
もちろん日本人同士でも、日本でも普段会うことがなかったような、新しいお友達にも出会えると思います。ワーホリ中はオープンマインドに徹して、様々な出会いを楽しんでください。
日本ではありえないような、絶好の出会いのチャンスですね!
キャリアアップのチャンス
イギリスでのワーホリ経験は、帰国後のキャリアにおいても大きなアドバンテージとなります。特に、英語を使った業務経験や、異文化環境での適応力は、多くの企業で高く評価されるポイントです。履歴書や面接で、イギリスでの具体的なエピソードを交えてアピールすることで、採用担当者に強い印象を与えることができます。
また、ワーホリで得たスキルを活かして、外資系企業や国際的なビジネスシーンで活躍する道も開けるでしょう。イギリスでの経験は、確実にあなたのキャリアのステップアップにつながります。
イギリスで就労ビザを取得する際の申請方法も合わせて説明しています!
イギリスワーホリから帰国後の進路はどうなる?
ワーホリを終えて帰国した後は、様々な経験に生かすことができます。ここでは、帰国後の進路として考えられるいくつかの選択肢について紹介します。
さらなる留学や海外でのキャリアアップ
イギリスでのワーホリ経験を経て、さらに海外での生活を続けたいと考える人も多いでしょう。その場合、次のステップとして留学を検討するのも一つの方法です。イギリスには多くの名門大学や専門学校があり、英語力をさらに磨きつつ、専門的な知識やスキルを学ぶことができます。
また、イギリスや他の国での就職を目指す場合は、ワーホリ中に築いたネットワークや得た経験を活かして、現地でのキャリアをスタートすることも可能です。特に、イギリスの企業ではワーホリ経験者を歓迎する傾向があるため、再び就労ビザを取得して現地で働く道もあります。
日本でのキャリアに生かす
帰国後、ワーホリで得た経験やスキルを日本でのキャリアに活かすこともできます。多くの企業は、海外での経験を持つ人材を高く評価しています。特に、外資系企業や国際的な取引を行う企業では、イギリスでのビジネス経験や英語力が大きな武器となるでしょう。
また、異文化理解やコミュニケーションスキルは、どの業界でも役立つものです。ワーホリで得た経験を自己PRに織り交ぜることで、他の求職者との差別化が図れます。
自分のビジネスを始める
ワーホリを通じて得た経験や人脈を活かして、自分のビジネスを始めることも一つの選択肢です。例えば、現地で学んだスキルを活かして、英語教育に関連する事業や、海外との貿易ビジネスを展開するなど、アイデア次第でさまざまな可能性が広がります。
また、イギリスでの経験をもとに、日本のマーケットに新しい価値を提供するビジネスも考えられます。例えば、イギリスのファッションやライフスタイルを紹介するオンラインショップや、現地でのコンサルティングサービスを提供するなど、オリジナルなビジネスを展開するチャンスです。
新しい経験がもたらす価値は、無限大!
若い子には旅をさせよ、とはよく言ったものです。
FAQ: イギリスのワーホリに関するよくある質問
イギリスのワーホリビザ(Youth Mobility Scheme Visa)の申請は毎年早い段階で開始されます。例年、応募情報は1月と7月ごろに、UK govのサイト内で発表されます。
現在は、YMSは抽選ではなくなりました。早い者勝ちの定員制(6000名)です。
はい、可能です。例えば、学生ビザや就労ビザ(Skilled Worker Visa)などに切り替えることができます。
ワーホリビザの延長は認められていません。ワーホリビザでの滞在は2年間で終了します。
代わりに、別のビザ(学生ビザや就労ビザなど)を取得して滞在を継続することは可能です。
イギリスのワーホリビザ(Youth Mobility Scheme Visa)は基本的に単身者向けのビザであり、家族(配偶者や子供)を帯同することはできません。ワーホリビザの趣旨は「若者の個人経験の向上」にあるため、家族での渡航には制限があります。
家族が渡航したい場合は、配偶者や子供が、観光ビザや別の就労・留学ビザを取得することで、一緒にイギリスに滞在することができます。また、ワーホリ期間中に家族が一時的に観光ビザで訪問もできます。この場合、家族は最大6カ月間滞在が可能です。
はい、イギリスのワーホリビザでは複数の仕事を掛け持ちすることが可能です。雇用形態や職種に特に制限はなく、フルタイムやパートタイム、自由契約(フリーランス)で働くことも許されています。ただし、労働時間や税金の管理には注意しましょう。
まとめ
イギリスでのワーキングホリデーは、ただの海外生活ではなく、あなたの人生に大きな影響を与える貴重な経験です。異文化の中で働き、生活することで得られるスキルや知識は、今後のキャリアや人生の選択において大きな力となります。
ビザ申請から現地での生活、仕事探し、そして帰国後の進路まで、ワーホリは挑戦の連続ですが、その分得られるものも多くあります。この記事を通じて、イギリスでのワーホリに興味を持っている方が、少しでもその魅力を感じ、具体的な一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
イギリスでのワーホリ生活が、あなたの新しい冒険のスタートとなり、多くの素晴らしい経験や出会いをもたらすことを願っています。